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麦の種類、焙煎方法

麦の種類

麦の種類には「小麦、大麦、ライ麦」などがありますが、麦茶用には一般的に大麦を使用します。

大麦は大きく二条麦茶と六条麦茶に分類されます。中国には四条大麦もありますが、日本では見たことがありません。

二条大麦

二条大麦は、六条大麦に比べると粒が大きく、大粒大麦とも呼ばれます。また、ビールの醸造に適しているため、ビール麦と呼ばれることもあります。

六条大麦

六条大麦は、二条大麦に比べると粒が小さく、小粒大麦とも呼ばれています。

六条大麦の中にも「裸麦」と「皮麦」という種類があり、「裸麦」は実が熟した時に麦の粒を覆っている“もみがら”がはがれやすい種類、「皮麦」は逆にはがれにくい種類のことをいいます。麦茶の原料には、おもに「六条大麦の皮麦」が使われます。

麦茶に適した大麦

焙煎工程でタンパク質が独特の芳香を生み出すことから、麦茶用の大麦はタンパク質の含有量の多いものが適しています。加えて、焙煎工程でのムラが生じないように、粒揃い、水分などが均一であることも大切です。

焙煎方法

砂炒り焙煎

回転ドラム式の鉄釜で熱した砂を循環させ、その釜の中に大麦を通します。熱した砂の遠赤外線効果で麦の芯まで焙煎する方法です。昔ながらの焙煎方法で、大麦を急激に焙煎するため、麦の粒が膨化(膨れること)し、はじけたようになるのが特徴です。

フクレ炒り焙煎

砂炒り焙煎もフクレ焙煎の一種になりますが、急激に高温の中に投入する焙煎方法で、麦の粒を膨化させる方法をフクレ焙煎といいます。おもに熱風を循環させた釜に麦を通して焙煎します。

カタ炒り焙煎

カタ炒り焙煎とは、比較的低温に設定した回転ドラム式釜で攪拌(かくはん)しながら、時間をかけて色づけする焙煎方法です。フクレ焙煎とは対照的で、麦の粒の膨化が少なく、原料の大きさに近い粒度の焙煎麦が特徴です。

アルファ化焙煎

アルファ化焙煎とは、焙煎の前に大麦原料を蒸し、乾燥させてから焙煎する方法です。麦茶の抽出性に優れています。

炭火焙煎

焙煎の燃料には、おもに重油、灯油、ガスなどが使用されていますが、炭火焙煎は、特殊焙煎機で炭を燃料とした焙煎方法です。炭の遠赤外線効果で麦の芯まで焙煎することができ、抽出性に優れたまろやかな麦茶ができるのが特徴です。

参考:麦茶の歴史

大麦と人類のかかわりは大変に古く、およそ1万3千年前に、イラン、イラク、チグリスユーフラテス、インダス川流域の古代文明発祥の地で栽培されていたことが知られています。日本には縄文時代の末期、今から2500年ほど前に栽培植物として伝播し、広く全国にひろがったと考えられています。

わが国では古くから大麦を炒って飲料にする風習がありました。緑茶の普及するはるか以前で、戦国時代の武将たちも愛飲していたと伝えられています。

江戸時代の末期になると、麦茶は町人衆の気軽な飲み物、お茶代わりとして商品化されました。現在の喫茶店のような「麦湯店」なるものが出て、大いに繁盛していたようです。人々は縁台に座って麦茶を楽しみ、会話に花を咲かせたことでしょう。

明治になってからも、上野、浅草、両国などの下町では、夕方から夜中まで「むぎゆ」と書かれた行灯が立ち並び、庶民の憩いの場となっていました。

以来、親から子、子から孫へと親しまれ、麦茶は私たちの暮らしの中にしっかりと定着していき、現在に至ります。

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